空から舞い降りた天使
「前に、亜子先生に僕、気になる人がいるって言ってたの、憶えてます?」



「ああ、まぁ…。」



たしか、うんと年下の子!?




「その子といると、ドキドキするし、なんでしょ。似たものを感じる。
その子がちょっと泣いたんです。
泣くような子じゃあ、ないって思ってたので。
僕がいなきゃあ、なーんて思っちゃいましたよ〜。」


「山下先生、嬉しそうですねぇ。なんだか、興奮してません?」



「ごめんなさい。一人でべらべらしゃべっちゃって〜。」




こんな先生初めてみた気がする。
なんだか、楽しそうで。
でも…その子って言ってたよね。
まさか、うちの生徒だったりして?

まぁ、私も隼人なわけだしね。
そのへんのことは、聞けないよね〜。




「亜子先生には、なぜだか、聞いてほしくて…
この前はあんなことして、すみませんでした。」



「山下先生の楽しそうな顔をみると、そんなことも忘れそうです。」




「山下先生はもてるから、彼女心配ですよね。」



「…ですかね?プレゼントもらったり、手紙もらったりだけですよ。」



「それでも、きっと彼女は勘違いすると思うんです。」




「亜子先生、僕のことより、桜とあれから、逢ったりしてます?」



「山下先生、桜くんと私のこと誤解してますよ。あの日は桜くんの話を聞いていただけです。」










嘘をつくたびに、胸がちくりと痛む。

でも、それは、私が
守らないといけないこと。



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