ゲーム。
私達が時々楽しむゲーム。

皆で何かを競い合い、それを制した者に褒美が与えられる。

その褒美は本人が決めるから、皆その勝負には本気で挑むんだ。

そして今回のゲームは――


『UFOキャッチャーで仏頂面したくまのぬいぐるみをとる』


私的には褒美よりもあのぬいぐるみがほしくて仕方なかった。

だからアレの行き場はどうなるんだろう。

どうやったら私の手元にくるんだろう。

そればかりを考えていた。

そんな中、隣に立つ律がぬいぐるみを見ながら


「ぜってぇに俺が取ってやるからな」


私の心を読むようにそう言うから、嬉しさのあまり「絶対に取って!」と言いながらその腕にぎゅっとしがみついた。
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