竜王様のお約束
「ハクリュウ様のお嬢様でいらっしゃるリョク様は、生まれた時から偉いのですよ。」


「何それ。
コクリュウの言ってる事、全然分からない。
父様が偉いと、なんで私まで偉くなるの?」


「だからそれは、リョク様がハクリュウ様の娘様だからです。」


コクリュウは悟すようにリョクの目を見た。


「娘だからって、それが何?
私は父様みたいに偉いことなんて何にもしてない。
ただ人間界で普通に暮らしてただけだし・・・。」


頬を膨らませて、リョクはぷいっとコクリュウから目を逸した。


でも、待ってよ。
コクリュウのお妃には私がなるんだって、固い決意でここまで来たはずなのに。何だか話が違う方向に進んでない?


リョクは思い直すと、一変笑顔を作った。


「ねぇ、コクリュウ。」


「はい。」


真面目な顔でコクリュウは返事をする。
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