竜王様のお約束
「しかし・・・。
どうせ我はこれから、ヤヨイの説得に応じることに・・・なるのであろうな。」


そんなハクリュウの言葉に、ヤヨイは苦笑いを送るしかなかった。


「父様。
それは、もしかして、許してくれるってこと!?」


リョクは封雑な気持ちでハクリュウに声をかけた。父がこんなにも自分のことを思ってくれていたとは、と。


「正直許したくはない。
むしろ、できれば全力で阻止したい。
だがそうも言っていられぬ事態になっておるのも、また事実。
勿論、全てを譲るわけにはいかぬがな。」


「父様・・・じゃあ?」


「焦るでない。
大事なことが確認できぬ以上、到底納得できぬでな。
リョクの気持ちは大体分かった。
が・・・肝心要の相手の気持ちはどうなのだ?
我の目には、未だ考えが定まっておらぬように見えるぞ・・・。
コクリュウ、そなたの気持ちはどうなのだ?」


「はっ・・・。
私は・・・。」


コクリュウは膝の上でぎゅっと握る拳に、更に力を込めた。
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