竜王様のお約束
「それだけは・・・出来ない。」


「私は別にイヤじゃないよ。
天界の民たちに生気を分けてあげるの。」


「俺がイヤなの!
例え生気でも、ヤヨイを誰かに触れさせたくないの!」


「・・・。
わがまま・・・。」


「・・・。
いいよ、わがままで。」


大きな体で子供のように拗ねるハクリュウに、ヤヨイはクスッと笑った。そんなヤヨイをチラッと横目で見てから、ハクリュウはポツリと言う。


「コクリュウは、信頼に値するやつだ。
竜王は任せもいいだろう。
ただ・・・。
たった三年しか父親らしいことしてあげていないのに、他の男に託すなんてな。」


「それは私も同じよ?」


「それもそうだな・・・。」


納得するようにハクリュウは薄く笑った。


「なぁヤヨイ。」


「ん?」


「本当にリョクは嫌がってなかったのか?
目からビーム・・・。」
< 221 / 257 >

この作品をシェア

pagetop