竜王様のお約束
コクリュウはそっとリョクを覗き見る。

すると汗と埃にまみれた凛々しい青年が、能力を上手に操り屋敷を修繕していたのだが、その様子を感心しながら眺めているリョクが居た。

「また来たのか?
あんたもモノ好きなお姫様だな。」

「そうかなぁ。
ノノの作業を見てるのは面白いよ。」

「ふーん。」

ごく普通に交わされる会話が、コクリュウの胸にチクリと刺さった。

「危ないからちょっと離れてろよ。」

「大丈夫だよ。
ねぇ、私にも何か手伝わせてよ。」

「おい!危ねぇだろ!」

「だって、私も・・・。」

そう言いながらノノに近寄るリョクが何かにつまづいて、転びそうになるところをノノに抱き抱えられた。
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