竜王様のお約束
「これが天界に君臨していた、ハクリュウ王陛下だよ。
ヤヨイの知らない、兄上の姿だ。
誰も止める事なんて、出来やしない。
でも兄上の事だ、きっと何か考えあっての事なんだろう。」


ヤヨイ、イオリ、そしてコクリュウは、ただ静かに目の前で起こっている光景を、傍観するしかないのであった。


ゆっくりと、キリュウは床の上に崩れ落ちて行く。


最後の一滴に至るまで、ハクリュウはキリュウの生気を吸い取ったのだ。


ハクリュウはぎゅっと掌を握り、冷酷に言い放つ。


「審議、そして処罰は終わった。」


その言葉を聞いて、コクリュウは慌ててハクリュウを見上げた。


「ハクリュウ王陛下、私の処罰は?
私がヤヨイ様を、天界へと連れて来たのです。
許される事では、ございません。」


冷やかな視線をコクリュウに送り、ハクリュウは無言のままでヤヨイの手を引き、審議の間を後にするのであった。
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