竜王様のお約束
そのヤヨイの笑顔がすぅっと引いていく事に気づいて、ハクリュウは僅かに目を細めた。


「何か気になる事でもあるのか?」


ハクリュウの大きな手が、ヤヨイの頬にそっと触れる。


「コクリュウさん、どうしたかな。
私をここへ連れてきた事、とっても気にしていたから。
あんまり自分を責めていなければいいんだけど。」


そう言ってヤヨイは、窓の外を眺めた。


「俺があの場で何か言ったとしても、きっとあいつは納得なんてしなかったよ。
俺も最初は、ヤヨイをさらった実行犯を、許すもんかと思っていたんだけどな。
でもキリュウの身勝手に巻き込まれたコクリュウは、むしろ被害者なんじゃないかと考え直した。
まったくあいつは、他人を疑う事を知らないんだ。
あんなに忠告したのに。
・・・・・だから逆に、慕われるのか。」


「そうだね。
とても、良い人そう。」


そのヤヨイの言葉を聞いて、ハクリュウの顔色が変ったのは、言うまでもない。


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