CLAP!!
「で。洋子先生の葬式は、何処で?」
「幼稚園だと思う、よ。彼女の家は確かマンションだったし、彼女にはお母さんもお父さんももういないから。死んだんだ、よ。皆。」
朝からしーちゃんの機嫌が良かったのはこのせいか。洋子先生に否定されたあの時からしーちゃんは、彼女の事が大嫌いなのだ。
そして、僕も。
しーちゃんを否定した彼女を、僕は認めない。許さない。だから洋子先生が亡くなった、と聞いても僕は、別段悲しくも無かったのだ。
「ねぇ、しーちゃん」
ひとつ、君に聞きたい事がある。
「何、いちぎ?」
少し気が引ける、けどこれは絶対に、彼女に聞かなければいけないこと、だ。
聞かずにこのまま、洋子先生の顔を見たら、
何か雰囲気的な、それでいて絶対的な何かが壊れる、気がして。
「しーちゃん、」
しーちゃんが小さく微笑んだ、そんな気がした。
「君の大嫌いな世界に、僕は、いる?」