Thank you my friend.



入学して何日か経った頃
キミは私にはなしかけてくれた。



なんだか嬉しかった。



男の子らしい低い声に
少しドキッとした。



優人「これからよろしく!」



笑顔でそう言ってくれたキミに
私はどんな顔をしていたのかな。



結香「うん」



素っ気なくそう言ってしまったけど
本当は、本当は……



とっても、とっても、
嬉しかったんだよ。



優人「あー!同クラかよ~!よろしく!」



キミは誰に対しても笑顔だった。



そして、
キミの笑顔はみんなを笑顔にする。



…あ。



そうか。



今、キミへの気持ちがわかったよ。



私知ってる。



この気持ちは
……尊敬だ。



優人「この子は志野ちゃん!な?」



結香「え?あ、うん」



あ、そうだ。



私の名前、言ってなかったっけ。



結香「志野、結香、です」



優人「な?志野ちゃんだろ?」



雅「志野ちゃんとか慣れ慣れし過ぎだろ?あ、俺、雅ね?葉山、雅。」



優人「いいだろ、志野ちゃんが何も言ってないんだから!あ、俺は優人だから!池田優人!」



結香「あ、…うん」



知ってるよ。



優しい人、って書いて優人。



キミの名前は
キミの人柄そのまんまだもんね。



男子の名前を覚えるのが苦手な私でも
すぐに覚えちゃった。



それが私の尊敬している人の名前。



雅「ほれ、優人。志野さん超困ってんじゃん!やめてやれよ?」



優人「え?嫌だった!?わり!」



結香「あ、いや…別に、大丈夫です…」



優人「だよなー?お前の勘違いだとさ」



雅「あ、まじで?ごめん!」



結香「あ、いえ…!こちらこそ…」



雅「ま、これから仲良くしてね?」



優人「あ、俺もー」



結香「え、あ、あぁ、はい…!」



私の中学最初の日は
こんな感じだった。


< 5 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop