恋の扉をこじあけろ


もしかしてこのままはずれなくて、手術室にでも連れこまれるんじゃないかと心配になって涙がじわりと滲んできたとき。


すぽんっ



「ぷふぁっ」



間抜けな音とともに、わたしの口は解放された。


ふいい~

すっきり~


「ものすごく爽やかな顔してますね」


先生がくすっと笑って、わたしの頬がちょっと熱くなったのを感じた。


「だ、だってなかなか抜けないから。もうずっとこのまんまだと思いました!」


「ごめんごめん。…あ、口のまわりに」


先生はわたしの口元に視線を向けると、湿ったガーゼみたいなものを持って中腰になった。


そしてそれで、戸惑うわたしの唇の横を優しく拭ってくれた。



どうやら型をとるときに使った印象剤のカスがついていたらしい。



は、恥ずかしすぎる…



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