恋の扉をこじあけろ

「撮った写真、見てみたいですー」


「見たい?見ちゃう?じゃあ連絡先聞いちゃおっかなぁー」


「もちろんいいですよー!ね、こと…」


冬実がわたしのほうを見て、途端に顔を引きつらせた。


「琴乃!大丈夫!?」

「……」

「つまらせたのか?」


顔色を悪くして喋らないでいるわたしを皆で覗き込んできた。



いいえ、つまらせたんじゃありません。


調子に乗ってまるごと食べた白玉が、口の中で大変なことに。


あまり空間がない口内で、白玉がうようよしていて苦しい。

息ができないわけじゃないけど、そういう状態に近い。


口が開かない苦しみを味わったことがない2人はわたしに起きている状況など想像もつかないみたいだっだけど、的井先生は違ったらしい。



……笑っていらっしゃる。





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