恋の扉をこじあけろ

憧れた女の子の突然の出現に戸惑うわたしをよそに、先生は今日もスプリントを調整し始めた。

先生が作業しやすいように、女の子が照明をつけり、器具を取ったりしてサポートしている。


わたしの背後で、先生と女の子が何か話している。

ちいさな声で何を話しているかはわからないけど、専門用語がちらほら聞こえてくる。

たぶんお仕事の話なんだろうけど、先生の声はやっぱり優しくて柔らかで素敵で



とても胸が苦しくなった。



時折二人の笑い声が聞こえてくると、わたしだけが取り残されているような気分になった。


< 81 / 278 >

この作品をシェア

pagetop