ねえ、『好き』だよ?
「げッ!こいつが噂の幸多(こうた)!?」
「噂のって?」
「玲那から、聞いてたんだ♪へェー!言ってたとおりにさ、にてるね、幸と幸多。」
「そ、そうか?」
「つゥか、幸多も喋ってよ?」
「いェ~~~~すッ☆」
「あははははははははは!」
幸多のテンションの高さに思わず、笑ってしまう。

「奏。」
「ん?」
「そろそろ帰ってくれるかな?」
「なんでェー?いたっていいじゃ~ん!」
「わがまま言うなよ。サッサと帰れ。」
幸・・・?可笑しいよ?いつもと違う。あたしが「帰るね」と言ったら、「帰るなよ」と言ってくれる幸なのにィ・・・今日は、違う。
「わかったよ。」
「じゃなァ~!明日も会えるようにしとく。」
「うんッ☆」


『なんで?幸なんでよ?!』って聞きたい。
でも、あんな怖い顔されたら、言えないよ・・・。

一人でとぼとぼ帰ってたら、玲那が横を通った。

え?幸の家のほうへ行くよ?―

ふと振り向いたら・・・
(あれッ?幸??玲那を笑顔で迎えてる。あたしとは、全然違う。)
これって“浮気”?
幸に聞いたら、なんて言われるんだろう?


「おはよう☆」
「優衣~・・・。」
「何!?どうしたの?元気なさそうだねェ!」
優衣は、心配してくれているの?それすら分からないくらいショックだった。
「ぐすん・・・。」
「ちょ、奏?!泣かないで!!何があったの?」
「優衣に言っても、分からないよ!!!!!」
あたしは、無心にどこかへ向かった。

今日学校なのになァ・・・。あたしったらバカねェ~・・・。
ただの彼氏の“浮気”で。あたしが、バカだから飽きたんだよね。可愛くないから、飽きたんだよね。あたしってさ、いっつもどっか欠けてる。だから、“恋愛”にもなんか欠けてたんだよね。だから・・・・。

「あたしのバカーーーッ!」
いつ屋上に来たのだろう。いつのまにか屋上に来ていた。

「奏ー!」
「うぁ?優衣☆」
「もう!探したんだから!」
「ごめんごめん・・・。」
「で、なにがあったの?!」
「あのね・・・。」
昨日あったことを全部優衣に言った。
「マジでかよ!?幸って最悪やん?別れなァ?」
「ヤダ。別れたくない。せっかく手に入れたのに・・・。」
「そっか・・・。」
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