†captivity†(休載)
電柱を見るとそこにはまださっきの子がいるようで……その子もめちゃくちゃ可愛かった。
茶髪ショート、男の子か女の子かよくわからないけど、でも制服がズボンな所を見ると男の子だと思う。
ふわふわ髪の毛がまた可愛い──と、見つめすぎていたせいか、その子は目をそらしてあたしの横を通り過ぎて、学校の方角へそそくさと行ってしまった。
あたしのせい?
それとも……あぁ、さっきも見ていたし、犬嫌いなのかもしれない。
こんなに可愛いのに、ねぇ?
「クゥ~ン」
あ、この子あたしの心読んだのか?
でもあたしももちろん遅刻するわけにはいかないから、柴ちゃんにお別れを言ってその場を離れた。
学校へ着くと、昨日ぶりに友達と再会。
「おはよー和歌」
「あ、和歌っち来たー!」
「おはよ、すずちゃん、みくちゃん」
まだまだ知らないことが多いけれど、これからもっと知って、もっと仲良くなれたらいいと思う。
こうして今日も一日が始まるのだ。