†captivity†(休載)


ぼやけた視界で状況を確認する。

温かいものにもたれかかっている、あたし。

変な態勢だったからか、首が痛い。



「んんっ……」



まぶたが重いよ。

眠い。



さっきの夢の続き、見たいな。

あの子の名前、やっと思い出せたと思ったのに──残念なことに覚めた瞬間に忘れてしまった。

夢のあるあるだよね。



……ところで、あたしは一体なににもたれているんだろう?

そこでパチリ、目が完全に覚めた。



あたしは

なにに

もたれて

寝ていた?



──緒方先輩の家で……!!



バッ、即起き上がり振り向けば……お、がた、先輩、が、いた!!



「うわはわはわわー!ご、ごめんくださっ、ちが、ごめんあそばせっ、って、ちがくって!!」



大混乱なあたしの頭はもはや『ごめんなさい』の一言もまともに言えていない。

最悪『ごめん』だけでもいいんじゃないかと気付くも、後の祭というものだ。
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