†captivity†(休載)


「寝てた?……あぁ、目が赤いね」



両頬を掴んだまま……手を当てたままあたしの瞳を至近距離からガン見してくる理事長に、びくびくするあたし。

怖いっす。

……あれ、でもなんか、非常に若作りだなこの人。



じゃなくて。



「疲れてるのか?昨日はちゃんと眠れたのかい?」



あたしは非常に心配されてしまった。



「ね、寝れてない、です……」



昨晩を思い返す。

あの時は眠すぎて今更気付いたけれど、緒方先輩の事を考えてたせいで眠れなかったのに、今日いくら眠かったからって緒方先輩のいる教室に自ら行くなんて……。

バカか。

あたしバカか。

その上起きたら膝まく……!!



「ん?顔も赤いね」

「気のせい!です!」



頬は未だに理事長の両手の中だ。

あの記憶は封印しなくては。

抹消末梢。



「まぁ辛いならここで休んで行きな。茅ヶ崎奏多は授業に戻りな。バカ息子と一緒にサボらなくていいよ」



そう言われた奏多くんを見ると、子犬のような瞳を向けられていた。

あれ、なんだこれ、可愛いヤバい。
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