†captivity†(休載)


そこで言葉を止めた灯くんは、あたしに視線を合わせたまま固まった。

詳しく言えば、あたしの視線より少し下を見ているような気が……気じゃなかった。



アレをガン見していたのだ。



気付いてサッと首を隠すも、もう遅い。

彼は緒方先輩が付けたアトをしっかり目に焼き付けた後なのだから。



あぁ、今日1日で一体何人にコレを曝したのだろう、あたし。



「和歌って……」

「これは、気のせい。気のせいだから。なんともなにもない」

「……彼氏いたっけ?」

「い、いないよ?いないいない」

「いないのに印付けられてるって一体……」

「気のせい気のせい、きっとニキビ」

「首に?」

「……」

「……」



言い逃れ出来ていなかった。

灯くん、別に黙って見ないフリしてくれてればいいのに、なんでそこまでつっこむの。



「和歌」

「気のせい気のせい」

「緒方先輩が付けたの?」



彼は、なんの迷いもなく、言い当てた。
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