†captivity†(休載)


3年生、初めての受験生となる年だからと、気合いを入れて学校へ再び通い始めることが出来た。

十分に睡眠をとって、学校へ行って、半年ほど病院に通い続け、入眠剤のみの投与で元の状態に近付けていった。

少しずつ不安が消えて、少しずつ心に余裕が出来ていって、少しずつ疲れは確実に取れていった。



ただ、人間不信の癖は、完全には取り除けなかったけれど、以前よりは信じられるようになったし、自信も戻ってきた。

生きていてよかったと、思えるようになった。













あの出来事があってから、和歌は俺の幸せを願うようになった。

以前より俺のことを考える事が増えて、いまでも心配してくれる。

悩みがあったら真っ先に言えって、しつこいくらいに言ってくれる。

俺のせいで和歌は、自分より俺を優先するようになってしまった。



たぶん、原因が自分にあると思ってる。

違うって言ってるのに、誰のせいだとかはないって言ってるのに、どこか自分を責めている。

やっぱり血縁だと思考も似てくるらしい。
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