†captivity†(休載)


次の日からあたしは、とんでもなく可愛い生物・奏多くんに会うために、例の廊下突き当たりの特別教室へと足を運ぶことにした。

東先輩や緒方先輩に会いに行ってるわけじゃない。

決して。



あのドSコンビは放っておいて、あたしは奏多くんと仲良くなりたいがために会いに行った。





今日も奏多くんに会いたくてあの部屋に行くと、やっぱり3人は集まっていた。



「何しに来た?」



緒方先輩に冷たい目で見られる。



あたしだって少しは考えたさ。

こんなに毎日行くのは生意気かなぁなんて。



でも考えたけど、やっぱり仲良くなりたいと思ったんだ。



「奏多くんと仲良くなりたくて来ました。どうぞお気になさらず」

「奏多は人見知りが激しいから、無理だと思うけど」



目が『帰れ』って言ってますよ、東先輩。



「わからないですよ?緒方先輩に懐いてるのにあたしに懐かないなんてこと……」

「あ?」

「あるかもです。すみません。でも諦めません」

「しぶてーな」

「なんとでも」



緒方先輩は睨めば黙るとでも思ってるらしい。

……実際に黙ってしまうけど。
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