†captivity†(休載)


瞬時に背筋の凍ったあの感覚の意味を悟った。

そう、まさに悟ったのである。悟だけに。

似ている、この子すごくニコニコしているけど、根本的なところが似ている。



「東先輩の、妹さん……?」

「ぴんぽーん!記念にその驚いた顔撮らせていただきますね!ぱしゃり」



フラッシュの音とともに視界が一瞬白くなる。

あたしの思考回路はショート寸前であった。

なぜか月に代わってお仕置するあの曲が頭を過ぎるが、今はそんな場合では無い。



「なぜ、今撮られたのでしょう?」

「だから記念ですってぇ!」



意味が、わからない!!



確かに以前一瞬だけ、東先輩に妹さんがいることは聞いた気はするけども……。

あれはたしか東先輩が引きこもって学校に来てなかった時のこと。

『シンキングタイムなう』って、妹が言っていたと、そこで初めて東先輩の妹の存在を知ったのだった。

あぁ、たしかにこの子ならその言い回ししそう。



「というかなんで妹さんがここへ?」

「あぁ、今日はお二人のレポートも兼ねて、待っていました。メインは護衛ですけどね」



女の子が……護衛???

ていうかレポートって何??誰に渡すのそれ?兄??



「悟がすんなり二人にしてきたわけだ……」

「そうですねー、あぁ見えてめっちゃ心配性ですから。本当は邪魔するなって言われて来てたんですけど、ついつい」

「コイツが来てること、知りたくなかった……」



悟先輩の心配性(?)が、妹さんを派遣してきた理由のようだ。



「あぁ、申し遅れましてすみません。こちら名刺ですー!」

「あ、どうも……」



彼女から差し出された名刺を受け取る、が、一瞬の間を置いて違和感が脳裏を掠める。



え、まって名刺?

この歳で名刺持ってるってどういうこと?



そう考えたけれど、そこには彼女の名前、連絡先と共に



「情報屋……?」

「はーい!情報屋やらせていただいてまぁす!」



そう、書かれていた。

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