†captivity†(休載)


まって、待て待て。

和歌の知っている東悟という人物は、基本隙さえあれば毒舌を吐いているような男だ。

説明をしてくれる?まぁ確かにその面はある。

しかしそれ以外で黙っている???



「それは東先輩とは別人では??」

「殺されたくなければその口閉じてなよ」

「ほらぁ!!!」



あれ、でも確かに奏多くんに対してはこういう攻撃性は出してこないし、心くんとは時々揉めることもあるけどそこまで酷くは……ない、気、が……?あれ?



「もしかしてあたしにだけあたり強くありません?」

「気付いてなかったの?」



──なんで!!?



「和歌……先輩になにかした?」

「いや、なにかもなにも、結構初期から毒吐かれてた気がするんだけど」



会った当初なんて脅されたりゴミを見るような目で見られたり、それはもう……いや今でも変わらず酷い。



「あぁ、悟のそれは多分俺のせいだ」



その心くんの言葉に、あたしたち双子は揃って首を傾げる。



「初めて会いに行ったあの時点で、俺がお前に目を付けてることを悟は知ってたし、奏多を助けたことも知ってた。仲間に入れて大丈夫かどうか試す意味もあったんだろ」

「確かに、先輩は慎重ですけど……」

「でもその後も態度は変わらなかったんですよね?」

「あれは素だ」



素。

素……??



まって初期の慎重さと素の態度の違いがわからないのですが。

確かにちょっと、ほんのたまにデレる(?)ことはありましたけど。

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