†captivity†(休載)


「お前バカか」

「な、な、な……!!」



玄関を再び開けば、さっき見た光景──ダルそうに家の門に背を預けてこちらを向く緒方先輩が、そこにいた。



なんで、緒方先輩がここにいるんですか……!

なに考えてんのこの人!

怒りやら恥ずかしいやらが襲ってきて、つい言葉が荒くなる。



「なんで待ち伏せしてるんですか!」



予想外の事態に、あたしの頭は大混乱。

なぜ緒方先輩が朝からここに?



「待ち伏せ?普通に考えて迎えだろ」

「なんで……」

「約束、忘れてねぇよな?」



『約束』の一言で、昨日の会話を思い出す。

今の今まで考えていたことでしたけど。

でもまぁ、そんなことはどうでもよくて、それよりも聞きたいことがある。



彼は言っていたはずだ、あたしと今まではち合わせしなかった理由を。

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