俺がお前の生きる理由。(仮題)
消えそうな女



気付いたら体が勝手に動いていた。




震える女を抱きしめる。





「大丈夫。すぐ動くから。」


そう声をかけても震えている女。


エレベーターが早く動き出すことを願いながら、その女に声をかけていると、
ふと、その女が俺のブレザーの袖をきゅっと握った。


『・・・ごめんなさい。』


そう、小さく聞こえるか聞こえないかぐらいの声で呟いたあと、
女は苦しそうに呼吸を乱す。


「・・・はっ、はぁ、はぁ・・・」


「おい、どうした!?
おちつけ!!」



驚いてそいつを見ると、なおも俺の袖をきゅっと握り、苦しそうに顔を歪めている。


・・・過呼吸か?


以前どこかで似た症状を見たことを思い出す。


とりあえず、落ち着かせようとさらにそいつを抱きしめる腕に力を込める。


「大丈夫。怖くない。」


そう優しく声をかけ、背中をさすってやる。




「大丈夫だから。」







< 12 / 73 >

この作品をシェア

pagetop