年下男子にご注意を。
「いるでしょ?未来の彼氏候補がっ!」
「…は?候補って、まさかっ…!」
「もちろん!いちの…っ!」
わたしは慌てて香織の口を塞いだ。
今、何て言おうとした?
ただでさえ、香織の異常なまでの大きい声に、教室にいる皆はこっちに視線を送ってるのに。
香織いわく、わたしの彼氏候補に、この学園で女子に人気のある、あのふたりの名を言おうとしたよね?
そんなことしたら、明日からわたしの高校生活が危なくなるんですが…
「…ふ…ふるひぃ…」
きっと苦しいって言ってるんだろうけど、まだ離せません。
離した途端、なにを言い出すのかわからないからね。
わたしは片手で香織の口を塞ぎながら、そそくさに香織を連れて教室を出て行った。