チョコレート記念日【2023ver.】
その時。
「…あれ?蘭…?」
名前を呼ばれて、ハッとしたように私は顔をあげた。
「大地…」
そこには、不思議そうな表情で私を見つめる大地がいて…。
先ほどまでいた後輩らしき可愛い女の子は、すでにそこにはいなかった。
「大丈夫か?なんか元気なさそうだけど…あっ、もしかしてチョコ作ってきたんだろ?」
大地は、そう言ってニコリと優しく微笑む。
…さっきの子にもそんな笑顔を向けたわけ?
無性にイライラした。