極上御曹司のイジワルな溺愛
途端さっきまで自分が考えていた思いが、自分の身勝手なものだったと反省する。
心の中でバカって言ったのは撤回──
だってもしこれが逆の立場だったら、きっと私だって同じことをしたと思うから。
「ごめんなさい」
そうポツリと呟くと、蒼甫先輩の体の震えが止まる。
「……悪い、言い過ぎた」
そんなふうに素直に謝れたら、なんだか調子が狂う。蒼甫先輩はいつだって傲慢で、上から目線な態度が似合う。
「蒼甫先輩が低姿勢なんて、なんかしっくりこないです」
「俺だって、悪いと思ったら謝る。なにより、椛に嫌われたくないしな」
「私が蒼甫先輩を嫌う? そんなこと、絶対にあるわけないじゃないですか」
この世の中に、絶対なものなんてひとつもない。
今までずっとそう思ってきたのに、今はその“絶対”が、いとも簡単に口からこぼれ落ちた。
どうしてかと問われても、明確な答えは言えない。けれどひとつだけはっきりしていること、それは……。
蒼甫先輩のことを、誰よりも愛してる──
じゃなければあのとき、包丁を手にした男の前に、我も忘れて飛び出すことなんてできなかった。
蒼甫先輩だから。蒼甫先輩が誰よりも大切で、愛しい存在だから……。
心の中でバカって言ったのは撤回──
だってもしこれが逆の立場だったら、きっと私だって同じことをしたと思うから。
「ごめんなさい」
そうポツリと呟くと、蒼甫先輩の体の震えが止まる。
「……悪い、言い過ぎた」
そんなふうに素直に謝れたら、なんだか調子が狂う。蒼甫先輩はいつだって傲慢で、上から目線な態度が似合う。
「蒼甫先輩が低姿勢なんて、なんかしっくりこないです」
「俺だって、悪いと思ったら謝る。なにより、椛に嫌われたくないしな」
「私が蒼甫先輩を嫌う? そんなこと、絶対にあるわけないじゃないですか」
この世の中に、絶対なものなんてひとつもない。
今までずっとそう思ってきたのに、今はその“絶対”が、いとも簡単に口からこぼれ落ちた。
どうしてかと問われても、明確な答えは言えない。けれどひとつだけはっきりしていること、それは……。
蒼甫先輩のことを、誰よりも愛してる──
じゃなければあのとき、包丁を手にした男の前に、我も忘れて飛び出すことなんてできなかった。
蒼甫先輩だから。蒼甫先輩が誰よりも大切で、愛しい存在だから……。