ETERNAL CHILDREN 2 ~静かな夜明け~
部屋へ戻るなり、シイナは寝室のサイドテーブルの引き出しに締まっておいた睡眠薬を取り出した。一番近い洗面所で、水とともに飲み干す。
だが、即効性でないため、すぐに眠れるわけもない。
「――」
シイナは洗面所を出て、入口のロックをもう一度確認する。
それからリビングに備え付けの端末で、カタオカへ夕食の辞退をメールする。
メールを終えると、キャビネットに並べられた洋酒のなかで、一番アルコール度数の高いものを選び、グラスとともに寝室に戻った。
お飾りで置いてあるだけで、シイナはそれまで手をつけたことはなかったが、今こそ、アルコールが必要だった。
キャップを開け、そのままグラスに注ぐ。
並々と注がれたアルコールを、シイナは一気に流し込んだ。
呑み込んだ途端、喉がかっと熱くなり、きついアルコールの辛さが口内に広がる。
だが、やめることなく、最後まで飲み干した。
空になったグラスをサイドテーブルに置くと、ベッドに倒れ込む。
まるで毒を飲んだように、身体が熱くなり、吐き出したい衝動にかられた。
だが、両手で口元を押さえ、必死で吐き気を堪える。
口内に辛さと苦さ、アルコール臭さが残って消えない。
だが、空っぽの胃はすぐにアルコールを吸収したのか、横になっていても視界が回った。
まるで、目眩がぶり返したかのように。
シイナは目を閉じて、意識が遠のくのを待った。
夢も見ないで、眠ってしまいたい。
死んだように。
意識が途切れるまで、ひどく長く、苦しかった。