天堂と十六夜


あどけない寝顔を見ると自然と笑顔になる。ゆっくり眠って欲しいと思い、布団に倒そうとすると尚更ぎゅっと抱き着いてきて離れないため十六夜も一緒に倒れた



「おやすみなさい…」



ぐっすり眠っている天堂の腕の中に居ると十六夜も眠ってしまった。十六夜が起きるともう日が沈んでいてあと少しすれば百鬼夜行の時間。以前は百鬼夜行をしなかったことを知っていたしその後百鬼夜行は活気がなく天堂の座を奪おうとした者が急増していたため今日からまた頑張って強さを誇示して欲しい 
 


そう思いながら天堂の腕の中でころごろしていると何者かの気配が…



"どうしていじめたの"



天堂が起きないように心で障子越しの獅蛇に話しかけると笑い声が聞こえる



"暇潰し。十六夜の姿でも無理だよ。清楚だし言葉遣いとかな。天堂も言ってたぜ、こんなの十六夜じゃねーってな。一発殴っちまった"


"確かに言ってたわ…"


"ま、いい薬になったろ。んじゃな"



去って行ったのが気配で分かった。同時に天堂が目を開けるがまだ眠たそうに目を閉じる。気の毒だがそろそろ起きないと百鬼夜行の時間




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