天堂と十六夜

百鬼夜行





「かあちゃんっ、あそんでくる!」



童へと成長した桜李は遊び盛り。毎日一人で出かけている



「…危なくない?お母さんも行こうか?」


昼餉の片付けをしていた十六夜はたすき掛けを外して勝手口から外へ出ると桜李は準備万端でにっこり笑っていた


深緑の着物と黄色い帯をしている。黄色の目は成長するにつれ、深味が増して天堂と同じ綺麗な金色へと鮮やかになった。あれから何事もなく百鬼たちに囲まれて過ごした桜李は明るく元気に育った


両親の力を受け継ぎ、童以上の力を持っているが人間で言うとまだ6才程度だ。まだ自分の身を守るには未熟



「だいじょうぶっ、すぐもどるから!」


「どうした?」


話していると天堂が庭からやって来て桜李を抱き上げた。桜李は天堂の首に抱き着き、天堂は背中をとんとん叩いた



「あそびに行きたいんだっ」


「一人で大丈夫なら行ってこい」


「あまり遠くに行かないでね、約束よ?」


「うんっ、やったー!」


天堂に再度抱き着いて下りるととことこ走って出て行った



「大丈夫かしら」


「いつもの場所っつっても家の周りだ。大丈夫じゃろ」


桜李を見送り十六夜の肩を抱いて家へと入って行った







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