after rain 〜虹を待ちつづけて〜
私の向かい側に香坂くんが座った。


「………。」


「………。」


中では長い沈黙が続いた。


2人とも、何も話さなかった。


それに、私は考え事をしていた。


『今、2人きりで璃音たちは何を話してるのかな?』


『これでまた2人の距離が近づいちゃうのかな?』


そんなことで頭がいっぱいだった。


「……天野ってさ…。」


突然香坂くんが口を開いた。





「バカなんだな。」


「…え……?」
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