黄金時間が過ぎるまで〜もう一つの番外編
泣いてるですって?誰が?私が…?

そんな事ある訳ないわ…どうして私が、泣かなきゃいけないの?理由が分からないわ…

私があの男を好きだったから?いいえ違うわ…

…もう二度と会う事もない…か…ら…?

「!」

その言葉が頭に浮かんだ瞬間…胸の奥がひどく痛んで…激しい感情が、のど元まで上がってきた…

「…すみません…一人にしてもらえませんか…」

やっとの事で絞り出した声は…しわがれていた…

「…ああ…済まなかった…もう…お前の好きにしていいから…」

そう言うと、父は静かに部屋を出て行った…

私はこれ以上立っている事も、それをこらえる事も出来なくて…声とともに吐き出した…

「うっ…っ」

あふれ出したものは…この上もなく哀しい感情で…体が締め付けられるほど、激しいものだった…

もう…泣く事でしか楽になれないなんて…


ああ…なんてバカな女かしらね…

人に言われるまで、あの男が好きだった事に気づかないなんて…こっけいだわ…

それに…さっきから…涙の止め方が分からないのよ…

…こーゆーのを、救いようのないバカって言うのかしら…ね…

Fin
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