黄金時間が過ぎるまで〜もう一つの番外編
「里美さん、お疲れ様ー」

文化祭最終日…

日の暮れて来た廊下を、私がいらなくなった舞台セットを運んでいると、後ろから声がかけられた。

「あ〜鳴海君、弟さん帰ったの?」

「うん、駅まで送って来た…手伝うよ」

そう言って、私の手から廃材を取り上げた。

「ありがとう、心配しないで〜鳴海君向きの仕事は、ちゃんと取ってあるから♪」

「…頼りにされてて嬉しいなぁ…そう言えば、部長と光田さんは?」

「自分の仕事が終わった後、クラスの方へ手伝いに行ったよ」

「なるほど…里美さんはいいの?」

「うん、ゴミを校庭に運んだらおしまい」

「校庭?」

「後夜祭で、キャンプファイヤーやるんだって…燃えるゴミは、今日中に燃やしちゃうらしいよ〜」

「わ〜すごそうだね…」



体育館と校庭を往復して、やっとこれが最後のゴミになった。

鳴海君の仕事の方を少し手伝ったけど、思ったより早く片付いたみたい…

後夜祭局のスタッフが、文化祭で出たゴミをやぐらに放り込むと、炎が舞い上がって火の粉が空に消えて行った…
< 70 / 81 >

この作品をシェア

pagetop