君を想う、僕の我が儘
「たったの四年だよ」


励ますつもりで言った僕の言葉で、君が拗ねてしまった。


「たったの、ってつけるような時間じゃないよ…」


君の目にみるみる涙が溜まって。

僕が指で拭っても拭っても、それはなかなか止まることはなかった。


「…なんにもわかってない…」


君のことはなんでも知ってる。

苺は好きだけど、イチゴ味のものは好きじゃないこと。

映画は原作を読んでから観に行きたいこと。

放課後の教室でキスをするのを嫌がるけど、嫌ではないこと。


どんなに些細なことでも知っている自信があるんだ。


だけど、知っているのと、わかっているのは違う。
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