光源氏の腕の中【仮】
そして話しはじめたお菊。

家は質素だけど、

父も母もとても優しい気立てのいい人たち。

・・・

妹や弟がいるそうで、

可愛くて仕方がないとか。

仕送りするときにいつも、

玩具や、勉強道具も、

一緒に送ってるよう。

・・・・

「家族に会いたくならない?」


「・・・そうでございますね。

会いたくないと言ったら、嘘になります。

大事な家族ですから、会えるなら、

会いとうございます・・・」

お菊は力なく笑った。


「会っておいでよ?」


「・・・え?」


「家族が病気になったことにして、

会っておいでよ。

お菊が数日いなくなるくらい平気だから。

だから・・・」


・・・!!

私の行動に、お菊は驚く。

わずかに持っていたお金を、

お菊に渡した。

家族に会ってほしかったから。

私はもう、会う事は出来ないから。
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