光源氏の腕の中【仮】
私は今までので出来事は、

すべて現実に起きた事だと信じたかった。

・・・

初めて知った恋する気持ち。

初めて知った愛されると言う気持ち。

確かにこのお腹の中に宿った

可愛い我が子。

この手に抱くことはなかったけれど、

確かに胎動も感じられた。

生みの苦しみも味わった。

・・・

夢だなんて思いたくない。

・・・

私は声も出さず、

布団をかぶって泣いていた。

・・・

しばらくして、

病室のドアが開く。

・・・

けれど声はしない。

ただ足音だけが聞こえてくる。

・・・

私が眠るベッドの真横で、

その足音は止まった。

きっとパパか、ママだろう。
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