世界を濡らす、やまない雨


「あっ、ちが、……う」

耳の奥を怜の吐息で擽られて、思わず声が漏れる。


「何?よく聞こえない。もういっぺん言ってみろよ」

怜は私を彼のほうへと向き直らせると、指先で私の顎を掴んでぐいと持ち上げた。

顎を掴んでいないほうの彼の手は、スカートの中を這い回り、下着の中へと侵入していく。

私が見上げた視線の先には、楽しそうににやにやと笑う怜の顔。


「違う。会ってたのは本当に女友達で……、んっ……」

下腹部を這っていた怜の指に突き上げられて、思わず小さな悲鳴が漏れる。

それを聞いた怜は、私を見下ろしながら満足気に微笑んだ。


「知ってるよ。お前には俺しかいないことくらい」

指で私をゆっくりと攻めてくる怜の顔からは、さっきまでの不機嫌さがすっかり消え去っていた。


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