世界を濡らす、やまない雨
有里に置いていかれてしまった私は、近くのコンビニでお弁当を買うと社員共有の休憩室へ向かった。
休憩室は持参したお弁当を食べる社員達で込み合っていた。
私は視線をきょろきょろと動かして部屋の中を見回したあと、奥の方に一人分の席が空いているのを見つけてそこに座った。
座って、コンビニ弁当が入ったビニール袋を前にため息をつく。
私を完全に拒絶する有里の背中。
一瞬だけ振り返って私を見た、他人を見るみたいな冷たい目。
思い出すとまた、小さな傷みが胸を掠める。