世界を濡らす、やまない雨



雨の音を聞きながら、ようやくうつら、うつらとしかけた頃、枕元でスマホが鳴った。


驚いて飛び上がると、私は相手も確かめずに急いで通話ボタンを押した。


ソファーのほうに視線をやると、角谷はそこに寝そべったままでいる。


角谷を起こさなくてよかった。

私は手の平で口元を覆うと、小さな声で電話の相手に話しかけた。


「もしもし」

「杏香、お前今どこだ?」

電話口の向こうから聞こえてきたのは、怜の声だった。


「れ、い?」

「今どこだって聞いてるんだけど」

怜の低い声が耳に響く。

その声を聞くと、緊張で身体が強張った。


「あ、の……」


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