世界を濡らす、やまない雨

初めは二歳年上の怜の優しさと包容力に惹かれていたけれど、付き合いが長くなるにつれて、彼がものすごく気分屋だということがわかるようになった。

私の態度や言葉が怜の思いと異なったとき、彼は私に冷たくしたり無視をする。

ものすごく機嫌を損ねてしまった時は、私をこの2LDKのマンションにひとり残したまま、数日帰ってこないこともある。

そういうとき、怜は「友達のところにいた」と言うのだけれど、ほんとうは私とは別の誰かのところにいたんじゃないかと疑ってしまう。


「そんな男、とっとと別れなよ」

少し親しい友人は、飲み会の席で無責任にそんな忠告をしてくる。

だが、友人からどんな忠告をうけても私はいつも薄く微笑むだけだ。

誰に何と言われても、私はきっと怜とは別れられない。

彼のことが本当に好きだから────……?

そう尋ねられたら、私は素直に頷く。

だけど、怜と別れられない理由はきっとそれだけじゃない。


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