長い夜の甘い罠【完】
「えっと…」
「様子がおかしかったから来てみたんだが……嫌な夢でも見たか?」
男は手を伸ばし、私の瞳を親指で優しく拭う。
泣いていた事気付かれてた?
私の事を気に掛けてわざわざ来てくれたのね…。
「ええ…少し」
「少しは落ち着いたか?」
「…貴方のお陰でね」
「役に立てたなら何よりだ」
男は優しい笑みを浮かべながら、私の身体を包み込む様にぎゅっと抱き締める。
「…ちょっと、何して」
いつもなら何とも思わない筈の抱擁が、今は凄く心地良く感じる。