長い夜の甘い罠【完】


それからあっという間に引越し当日である金曜日の昼過ぎ。引越し業者と共に、今の家から車で三時間はかかる田舎へと入った。

都会と違って空気は綺麗だし、何よりも緑が凄く多い。

景色はとても綺麗だけれど、今の私にとって静かな場所と言うのは凄く寂しく思う。

隼人の前から姿を消す為に、引越しを決めたのに、隼人の顔が何度も何度もちらついて寂しい気持ちに駆られる。

今日、家に来るって言っていたけれど、引越しした事に気付いたら隼人はどんな気持ちになるのだろうか。


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