Octave~届かない恋、重なる想い~
 選挙が苦手な私としてはほっとする半面、やっぱり私は必要とされない人間なのではないかと、寂しくなった。

 朝8時から夜8時まで行われる選挙活動の間、本当に休む暇もなく動いている雅人さんを、ただ見ているだけというのは耐えられない。

 選挙運動3日目の早朝、ついに雅人さんへ提案してみた。


「私も連れて行って下さい。ここでおとなしく裏方をやっているだけではいられません」


 そう話しながら、キッチンでおにぎりを作った。

 1分1秒も無駄にできないこの期間中、朝食を摂りながら地元の新聞をすみずみまで読むために、やっぱりおにぎりがいいだろう、という配慮。
 これはいつも母が父にしていたことなのだけれど。
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