初恋シグナル~再会は恋の合図~
「……こんなの」
ぽたりと、温かい雫が頬を滑り落ちた。
それが涙だと理解するより先に、言葉がこぼれ落ちていく。
「こんなの、サッカーじゃない」
「美祈……」
いきなり泣きだした私に、美涼先輩が戸惑ったように私を呼んだ。
皆の視線が自分に向けられてたのは分かっていたけれど。
まるで子供みたいに涙を流す自分が恥ずかしいとも思ったけれど。
だけど、一度溢れた言葉は最早自分でも止められなかった。
「相手に対して失礼だよ、こんなの。
今まで何のために練習してきたの?
頑張ってるチームメイトを見て、なんとも思わないの?」
「美祈……」
「サッカーって、チームでやるスポーツだよ。
……今の皆は、チームでもなんでもない。こんなの、サッカーじゃない。
……辻村くんに謝ってよ。
瞬くんに、一紀先輩に、謝って。
こんな情けない試合なら、しない方がマシだよ!」