初恋シグナル~再会は恋の合図~
祈るような思いで、私は試合再開のホイッスルと共に辻村くんの蹴ったボールの行方を見守った。
────ゴール前に壁になっていた選手の頭上を、大きな弧を描いて進んだボールは。
まるでスロー再生のように綺麗な軌道で、ゴールキーパーの手に触れることも許さないまま、ゴールに吸い込まれていった。
「……あ……」
は、入った……!!
「きゃああああっ!!や、やりましたよ!!同点ですよ先輩ーっ!!」
興奮した朱音ちゃんに抱きつかれて、私もつられて高い声で歓声を上げていた。
信じられない…!
ほんとに、入った……!