初恋シグナル~再会は恋の合図~
私の考えていることなんかきっとお見通しだったのだろう、辻村くんは不満気な表情の私を見て一つ息を吐く。
「……あんたは、自分の嫌いなチームで全国行って嬉しいか?」
静かににそう言った辻村くんの目は、ぞっとするほど冷たかった。
「……え?」
嫌いな、チーム……?
私の口を継いで出てきたのは、呆れるほど、間抜けな声で。
ただでさえ温度のない辻村くん。
だけど、その言葉は今までにないくらい、本当に冷たい声だった。