初恋シグナル~再会は恋の合図~


先生のそんな台詞に、私は思わず視線を教卓に向ける。



辻村?



先生の声で教室に入ってきたのは、すらりと背の高い、男子だった。



私の学校は、男子の制服は標準のどこにでもあるような学ランなんだけど、その
人は紺色のブレザーで、臙脂(えんじ)色のネクタイを締めていた。



黒い短髪に、形のいい眉。



不機嫌そうに結ばれた薄めの唇。



綺麗に通った鼻筋。



はっきりした二重の瞳。





……え、なにこのイケメン。



ていうか、どこかで見たことあるような……?



そんなことを考えていたら、その男子が担任に促されて口を開いた。



< 3 / 424 >

この作品をシェア

pagetop