初恋シグナル~再会は恋の合図~


医学部棟は無駄に広いから、外に出るまでにかなりかかる。


真二くんも、来るなら来るで前もって教えてくれたらいいのに……。



「し、真二くん!!」



やっと大学を出ると、キャンパスの入り口のすぐ横に立っていた真二くんが私の声にふり向いた。


「美祈」


「ごめん、待たせて」


はー、と走ったせいで上がった息を整えようと大きく吐く。



「いや、俺が急に来たのが悪いし」


「まぁ、そうなんだけどね」


「おまえ」


「あはは、嘘だよ!」



そんな会話を交わしながら、ふたりならんで歩き出す。




高校2年生から、大学2年になった今でも、私と真二くんの関係はあいかわらず。


もともと模試でも医学部の判定が悪くなかった私は、部活に精を出しながらも頑張って勉強して、推薦で志望校に合格することができた。

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