金閣消失(A探偵団3)

雪の金閣寺

○裏山の茂み、外、夕
   雪の中にワゴンが1台止まっている。
   ワゴンから亜紀と太一が出てきて茂みの中に入る。

○茂みの中、夕
   茂みから金閣寺がよく見える。
   二つのビルもよく見える。
   薄暗がりの中、小雪が舞っている。

   二つのビルのクレーンがちょっと動く。
亜紀「あ、今動いたよね?」
太一「うん、動いたよ。知らせてこよう!」

  太一、茂みを出る。
   亜紀、目をこらしてクレーンを見つめている。   

○茂みの外、夕
   雪の中、ワゴンが1台止まっている。
   太一が駆けて来て扉をあける。

山本「どうした?」
太一「クレーンが動いたよ!」
   皆、起き上がる。

山本「よし行こう!」
   皆、車から降りて茂みに入る。

○茂みの中、夕
   亜紀がじっとクレーンを見つめている。
   皆が駆け込んでくる。
   亜紀が指差す。

○二つのクレーン
   夕暮れ、小雪の舞う中に二つのクレーンが
   ビルの屋上に見える。
   二つのクレーンでワイヤーがピーンと張っている。

○茂みの中、夕
   6人がいる。
山本「なるほど思ったとおりだ。皆よく見てろ、金庫が来るぞ」
   みんなの顔が輝く。

○二つのクレーン、夜
   西のビルから黒い物体がスススと張ったワイヤーを下りてくる。
   クレーンでコントロールされながら金庫と忍者二人が、
   金閣の脇に下り、金庫を下ろす。

   再びクレーンでワイヤーがぴーんと張る。
   次に、二つのクレーンが一瞬反転したかと思うと、
   大型パネルが1枚ずつ、両側から滑空してきて、

   さらに1枚ずつ、あっという間に金閣の周りを覆った。
   見ると、薄明かりに輝く金閣がそのままあるように見える。

○茂みの中、夜
   6人の驚きの顔。
山本「変面の得意技だ。そろそろ空から来るぞ」
高田「なにが?」

太一「ヘリコプターだよ」
   皆、耳を澄ます。
木村「きたわ、ヘリの音よ!」

○庫裏、外、夜
   庫裏から出羽と亀山が出てくる。
   二人、夜空を見上げる。
   稲妻が光り雷が轟く。
   ヘリの音がかすむ。

○金閣寺入り口、夜
   パトカーが雪で埋まっている。
   ドアが開き二人の警官が出てくる。
   二人空を見上げる。

   原田の姿が通り過ぎる。
   稲妻が光り雷が轟く。

○茂みの中、夜
   皆、空を見上げている。
   稲妻が光り雷が轟く。
   原田が来る。

山本「思ったとおりだ」
原田「そうみたいだな」
   ヘリの音が近づく。
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