金閣消失(A探偵団3)

またしても

○茂みの中、夜
   6人がいる。
   顔を見合わせてうなずく。

○茂みの外、夜
   雪の中にワゴンが止まっている。
   6人が出てきて飛び乗る。

○北大路通り、夜
   大雪の中、1台のパトカーがのろのろと走っている。

○パトカーの中、夜
   警官二人、出羽と亀山が後ろに座っている。

出羽「チェーンを巻いたほうがええのとちゃうか?」
警官「大丈夫です。スタッドレスですから」

   のろのろと走るパトカー。

○京都府警本部、正面、夜
   大雪である。
   のろのろと1台のパトカーが入ってくる。

○同、本部長室、内、夜
   デスクに本部長が座っている。
   前に出羽と亀山が立っている。

出羽「・・と言う訳でまたまた取り逃がしてしまいました」
本部長「ごくろうさん。まあ、人的被害がなくてよかった」
出羽「又こんなものを残していきました」

   亀山が合図をすると扉の外から
   警官二人が像を運んでくる。

本部長「なんだこれは?」
出羽「ここに刻銘がしてあります。金閣爺」
亀山「底に手紙が入ってました」

   亀山、手紙を本部長に手渡す。
   本部長、手紙を広げて読む。

本部長「金閣寺は確かにいただいた。再建までの間
 この金閣爺で頑張ってくれたまえ。変面」
出羽「くそ、変面め」

本部長「しかしながら、なかなかのものだ」
亀山「又裏に変面作と書いてある。何作まで作るつもりだ?」

○雪道、夜
   雪道を1台のワゴンがのろのろと走っている。

○ワゴン車の中、夜
   6人が話しをしている。

高田「あんなもん盗んでどないするんやろ?」
木村「お金に換えるのかしら?」
高田「よほどの大金持ち」

山本「金に任せて世界の美術品や骨董品を
 かき集めている連中がいる」
太一「そんなのおんの?」

山本「武器をかき集めるよりええと思うが?」
亜紀「だれそれ?」

山本「アラブの王様!油で儲け過ぎて、ほかに
 買うものがないから、連中は全世界の
 芸術品をかき集めていると言う話だ」

原田「なるほど」
   皆、納得してうなづいている。
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